C-WEST S耐 '02シーズン 〜シリーズチャンピオン獲得!〜

今シーズンのスーパー耐久シリーズは3月中旬にスタート。ゼッケン15番のC-WESTアドバンRX-7の新たな闘いが始まり、ワントラブルが致命傷となる実力伯仲のレースの中で、予選でのそつない速さ、決勝での粘りある走りを披露、10月中旬に行われた第7戦・菅生ラウンドで念願のシリーズチャンピオンを獲得した。

〜今シーズンの前半戦を振り返る〜
Round.1 3/16・17 CP MINEサーキット 予選:3クラス2位
総合:10位
決勝: -

晴れ渡る好天の下、シーズン開幕戦を迎えた美祢。 予選でC-WESTアドバンRX-7はクラス2番手のタイムをマーク。クラストップとの差は僅かコンマ4秒。 今シーズンのスタートダッシュを決めるべく、絶好のポジションからのスタートを切ることになった。朝曇の決勝日。 いざ決勝が始まると快晴の天気に恵まれたが、C-WESTアドバンRX-7は、メインドライバーの尾本直史が26周、長島正明が38周を重ねた時点で作戦ミスによってレースを失格となり惜しくも開幕戦を表彰台の上で迎えるチャンスを逃した。

  Race Time/Lap Best Time/Lap Best Time/Lap Best Time/Lap
Round.1 1:53'25.670
64
尾本 直史
1'39.144 (26)
長島 正明
1'39.737 (38)
山田 英二

Round.2 4/27・28 仙台ハイランド 予選:3クラス2位
総合:10位
決勝:優勝
総合:9位

春真っ盛りの陽気に恵まれたハイランド。 東北地方のさわやかな天気の中、予選がスタート。 絶好のタイムアタックとなったが、クラス2位に甘んじる。 決勝日も絶好のレース日和。 とりわけマシンには負荷のかかりにくい気温の下、レースが遂行されることになった。 序盤こそクラストップのマシンに先行を許す。 その後ペースを守っていたC-WESTアドバンRX-7も猛追撃を続け、粘りの走行でその差をじわりじわりと詰めていく。 終盤、セーフティカーランになったことも味方し、72周目には、ついに逆転に成功。 ここで一気に後続との差を突き放しにかかろうとしたが、なんとまさかのスローパンクチャー。 右リヤタイヤをかばいながらの走行がたたり、逆転を許し、クラス2番手に下がる。しかし、勝負はまだ終わらない。 2番手走行中のファイナルラップで、クラストップのマシンがガス欠でスローダウン。 最終コーナーを過ぎてトップに追いついたC-WESTアドバンRX-7が”鼻の差”で先行し、チェッカー。 大波乱の幕切れをうれしいシーズン初優勝で飾っている。

  Race Time/Lap Best Time/Lap Best Time/Lap Best Time/Lap
Round.2 3:22'04.543
96
尾本 直史
2'01.688 (50)
長島 正明
2'01.648 (46)
山田 英二
(0)

Round.3 5/11・12 鈴鹿サーキット 予選:3クラス1位
総合:5位
決勝:優勝
総合:5位

第2戦から僅か2週間で迎えた第3戦。 金曜日のフリー走行こそレインコンディションとなったが、予選、決勝ともドライコンディションでの闘いとなった。 今シーズンのクラス3では、RX-7同士の激しいバトルが闘いの中心になっているのだが、第3戦の予選では、BMW M3がクラストップタイムをマーク。 C-WESTアドバンRX-7はクラス2番手に。ところが、このM3の車両において規定違反が発覚、タイムが抹消される。 この結果、C-WESTアドバンRX-7が今季初のポールポジションについた。 初夏を感じさせる天気となった決勝日。 前日、ファステストラップを抹消されたM3が、決勝でもブレーク。 他クラスを喰う躍進を見せていたが、終盤にマシントラブルが発生。 これを機に、C-WESTアドバンRX-7が大逆転に成功。 ツキを味方にして79周を走り切り、うれしい2連勝。 総合でも5位入賞を果たした。

  Race Time/Lap Best Time/Lap Best Time/Lap Best Time/Lap
Round.3 3:14'13.495
79
尾本 直史
2'23.605 (28)
長島 正明
2'24.106 (23)
山田 英二
2'23.641 (28)

Round.4 6/8・9 ツインリンクもてぎ 予選:3クラス3位
総合:8位
決勝:3クラス3位
総合:12位

ストップ&ゴーのサーキット特性をもつもてぎが第3戦の舞台。 梅雨の休みで蒸し暑いコンディションとなった。 予選では、前評判どおりRX-7同士によるクラス3のポジション争いを展開。 駆け引きによるアタックの結果、惜しくもコンマ4秒落ちでクラス3位に甘んじる。 迎えた決勝日。 初夏のような暑さの中、まずはクラストップからスタートしたマシンがオーバーヒートにより大きく後退。 さらに、暫定クラストップのマシンも複数回のピットストップが影響し、交代。 トップ争いのマシンが次々とアクシデント等に見舞われる中、C-WEATアドバンRX-7は着実なレースを消化する。 リタイアの絶対許されないレースでトップ争いにこそ加わるチャンスはなかったが、最後まで余力を温存しクラス3位でチェッカーを受け、第2戦から3戦連続の表彰台に上がり、シリーズランキングでもクラストップの座に立った。

  Race Time/Lap Best Time/Lap Best Time/Lap Best Time/Lap
Round.4 3:44'26.004
100
尾本 直史
2'11.532 (37)
長島 正明
2'11.155 (34)
山田 英二
2'11.219 (29)

Round.5 7/19〜21 十勝スピードウェイ 予選:3クラス3位
総合:13位
決勝:優勝
総合:9位

シリーズ戦の大きな山場を迎える一戦、それが十勝で開催される24時間レース。 予選日の午前中はどんよりとした雲がコース一面を多い、泣き出しそうな空が広がっていたが、午後からの予選がスタートすると、日差しがあらわれて絶好のタイムアタックコンディションとなる。 今回、クラストップのマシンがすこぶる好調で、C-WESTアドバンRX-7はクラス3番手を確保したが、タイム差は4秒3近くと大差。 しかしながら、24時間を闘う以上、一発の速さよりも安定した強さが重要ということもあり、緻密なレース配分を含め、長丁場のレースをどう闘い抜いて24時間後を迎えるかが大きな目標となった。 24時間レースのスタートは土曜日・午後3時。尾本直史がスタートドライバーを務めた。 序盤、順調に周回を重ねるC-WESTアドバンRX-7。 日没とともにライトオン、夜を迎える頃には肌寒さを感じるようになる。 十勝では夜が深まるとともに毎年のように濃霧が出るため、ドライバーにとっても気を引き締めて走行することが求められるのだが、今年の闘いでは、一歩前が見えなくなるような状態となり、セーフティカー・ランが導入される。 しかしフルこーションに留まらず、危険を伴うコンディションまで悪化したために、午後1時40分に赤旗が出され、レースは一時中断となった。 これによりレースは午前6時に再開が決定。実際は、回復が思わしくなく午前7時からレースが再開された。赤旗中断による2パート制になったレースでは、C-WESTアドバンRX-7がパート1で総合8位、クラス3のトップ。 中断による時間延長では行われず、当初の予定どおり午後3時のチェッカーまで、ひたすら周回を重ね、数字を積み重ねていく。 2パート制では、ライバル車がクラストップを快走していたが、マシントラブルで2時間あまりの修復を要することになり、これでC-WESTアドバンRX-7に総合クラス優勝のチャンスが巡ってくる。 そして、この後も順調にレースを消化、チェッカーを受け、C-WESTアドバンRX-7がクラス優勝を果たした。 昨年の十勝ではマシン炎上という悔しいリザルトを残していたが、これで1年越しのリベンジを果たすことになった。

  Total Lap Part1
Race Time/Lap
Part21
Race Time/Lap
Round.5 445 10:41'06.529
247
8:01'39.908
198

Round.6 9/7・8 TIサーキット英田 予選:3クラス4位
総合:10位
決勝:3クラス3位
総合:12位

波乱のレース展開を見せた十勝ラウンドから早や2ヶ月弱。第6戦はシリーズタイトル獲得の可能性を秘めた闘いでもあった。9月とはいえ、まだまだ残暑厳しいコンディションでの予選。C-WESTアドバンRX-7は1'41.488のベストタイムでクラス4位となる。決勝日も暑い天気の下、400kmに及ぶ闘いがスタート。スタートドライバーを務める尾本が、好ダッシュでポジションアップに成功、クラス2位に浮上する。TIでの闘いでは、燃費が厳しいこともあり、2ピット作戦を遂行。確実にポイントゲットを目指した。1回目のピットインは36周目。長島選手へと交代し、6番手から追い上げを開始する。折り返しを迎え、4位まで浮上する。その後、56周目にはコース上に撒かれたオイル処理のため、セーフティカーが導入される。これにより、1ピット作戦を取っていたマシンに有利な展開へと傾いたが、このタイミングでルーティンワークのピットインを行うライバル勢もあり、2位まで浮上。このまま走り切れば優勝の可能性も高かったのだが、C-WESTアドバンRX-7も同様にピットインを強いられ、山田選手が新たにステアリングを握った。レース再開後は4番手を走行。チェッカーまで15周となり、給油のみのピットイン。引き続き山田選手がドライブし、チェッカーを目指す。このまま4番手でゴールかと思われたが、なんとファイナルラップの最終コーナーで激しい2位争いをしていた1台のマシンがコースアウト、クラッシュのハプニング。これによりC-WESTアドバンRX-7が3位を獲得。タイトル獲得には届かなかったものの、12ポイントをシリーズポイントに計上し、チャンピオンの座に王手をかけた。レース後、尾本選手は「波乱含みのレースでクラス争いがますますハードになりました。次こそチャンプを決めたいと思います」とコメントを残した。

  Race Time/Lap Best Time/Lap Best Time/Lap Best Time/Lap
Round.6 3:16'13.617
107
尾本 直史
1'43.733 (36)
長島 正明
1'44.524 (21)
山田 英二
1'43.639 (50)

Round.7 10/5・6 スポーツランドSUGO 予選:3クラス2位
総合:5位
決勝:3クラス3位
総合:8位
〜最終戦を待たずして、今季の3クラスシリーズチャンピオンを獲得!!〜
10月最初の週末、スポーツランドにて第7戦が開催。この闘いで今シーズンのチャンピオンが決定する可能性の高い3クラスでは、現時点でC-WESTアドバンRX-7がトップランカーだ。2番手とのポイント差は35。例えライバルが残り2連勝しても、今回、6位までに入賞すればC-WESTアドバンRX-7がタイトル獲得というシナリオが用意されていた。そんな中、予選では総体的にRX-7が速さを見せ、C-WESTアドバンRX-7も尾本選手が1'31.063のタイムで総合5位、クラス2位という好アタックを披露した。舞台となるスポーツランド菅生は、RX-7にとって有利なレースを展開できるコース。12時40分、135周、500kmにわたる闘いの火蓋が切られ、C-WESTアドバンRX-7に乗り込んだ尾本選手がローリングラップを経て、スタート。1コーナーへと向っていった。すぐさまクラストップの座についた尾本選手。ライバル勢との激しいポジション争いを展開しながら、46周目にピットイン。長島選手にステアリングを託し、併せて給油とタイヤ交換を行った。ルーティンワークの間にポジションを4番手まで下げたが、その後、じわりじわりと浮上。75周目にはクラス2位まで復帰する。そして92周目に2度目のルーティンワークを行い、再び尾本選手がコースへと向う。この時点でC-WESTアドバンRX-7はクラス3位。前車との差はおよそ9秒。レースは100周を過ぎ、小雨がバラつき始めるが、それ以上天気が崩れることもなく、そのまま終盤へと突入し、結果、尾本選手はクラス3位でチェッカーを受けた。今回、ランキング2位の#9FORTUNE科芸専RX-7がクラス優勝を遂げたが、C-WESTアドバンRX-7が3位入賞を果たしたため、最終戦を待たずして2002年度スーパー耐久シリーズ・3クラスチャンピオンを獲得した。「2回目のピットストップでタイヤを換えなければ、もっと面白いレースになったでしょうが、今回はマージンを持ってレースしていたので、まぁ仕方ないですね。終わってみれば、ホッとした、嬉しいという思いの反面、勝って決めたかったっていう気持ちもあります。まぁ、最終戦で有終の美を飾れればいいでしょう」とはレース後の尾本選手。一方の長島選手も「スプリントではチャンピオンの経験がありますが、耐久は初めてです。嬉しさはやっぱり違います。みんなの力で取ったタイトルという、すごい充実感がありますね」と喜びを噛み締めていた。
  Race Time/Lap Best Time/Lap Best Time/Lap
Round.7 3:31'40.099
130
尾本 直史
1'33.819 (84)
長島 正明
1'34.252 (46)

Round.8 11/9・10 富士スピードウェイ 予選:3クラス2位
総合:8位
決勝:リタイヤ
〜オープニングラップの混戦で接触、リタイヤで最終戦を終える〜
 前回でシリーズチャンピオンを獲得したC-WESTアドバンRX-7。シリーズ戦の中でも2番目に長丁場の一戦として知られるSUPER TECが、凱旋レースとなった。最終戦の予選日は、初冬を思わせるような寒さとなったが、ドライコンディションに恵まれる。タイムアタックを担当した尾本直史は1'38.295のタイムをマークし、クラス3の2番手につける。だが、「赤旗と黄旗が出て、アタックのタイミングをうまく掴むことができなかった」と決して満足していない様子。すでにタイトルは獲得しているものの、最終戦をポール・トゥ・ウィンで決めたい、という思いがあったためだ。
決勝日も前日同様の好天気。4時間先のチェッカーを目指し、午後12時20分にスタートが切られる。まずは、山田英ニ選手がステアリングを握り、長島正明、尾本両選手へとバトンをつないでいく予定だったが、オープニングラップに予期せぬアクシデントが襲い掛かる。スタート直後の1コーナー、渋滞の中で#9FORTUNE科芸専RX-7が山田選手の乗るC-WESTアドバンRX-7に激しく追突、予想外のトラブルでマシンはコースアウト。何とか車輌をピットに戻すことはできたが、想像以上にダメージが大きく、レース断念を強いられる。これにより、残念ながらC-WESTアドバンRX-7は周回を刻むことなく、最終戦を終了。同時に、今シーズン全レースを終えることになった。

Pos No. Team Machine / Type R1 R2 R3 R4 R5 R6 R7 R8 Total
1 15 尾本直史 組 C-WESTアドバンRX-7
(マツダRX-7/FD3S)
0 20 20 12 30 12 12 0 106
2 83 古橋 譲 組 BP・ADVAN・NSX
(ホンダNSX/NA)
- - 15 20 15 6 15 20 91
3 9 大井貴之 組 FORTUNE科芸専RX-7
(マツダRX-7/E-FD3S)
0 15 0 6 23 15 20 0 79
4 14 小松一臣 組 イエローハットRX-7
(マツダRX-7/FD3S)
8 12 0 15 - 0 10 12 57
5 71 関根基司 組 PowerMagiC RX-7
(マツダRX-7/FD3S)
12 10 10 4 18 0 - 0 54
6 27 長島正興 組 WAKO'S MAZIORA M3
(BMW M3/E36)
0 0 12 10 - 20 8 0 50
7 48 中村 啓 組 アイエーテック-TARGET
(日産シルビア/S15)
20 8 8 0 - 10 0 0 46
8 18 梶岡 悟 組 WINS COM RX-7
(マツダRX-7/FD3S)
15 - - 8 - 0 - 10 33
9 78 新宅文亮 組 ww2 RX-7
(マツダRX-7/FD3S)
10 - - - - 8 - - 18
10 39 保田健雄 組 オウルージュBPμDLRX7
(マツダRX-7/FD3S)
- - - 0 - - - 15 15
11 280 大城 一 組 GT-ROM.net NSX
(ホンダNSX/NA)
- - 6 - - - - - 6
12 85 宮口幸夫 組 ERG・RACING・TEAM
(日産シルビア/S15)
- - 4 - - - 0 0 4
13 88 茂古沼哲司 組 チーム十勝RX-7
(マツダRX-7)
- - - - 0 - - - 0