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ジムカーナ選手権REPORT
 
   

 2003年全日本ジムカーナ選手権第7戦が長野県ラリーキッズ伊那Aパレットにて行なわれた。今回の舞台はカートコース。アップダウンが多いレイアウトであり、2003年度開催地の中では最も標高の高いところにあるサーキット。山野哲也+Asgent55SS2000はシリーズチャンピオンを確実に手中に収めるべく、余念ない体制でレースに挑む。

   

 8日の練習日、台風10号の影響で天候が朝から雨が降ったり止んだりと不安定。路面状況も目まぐるしく変わる。午前中、コースアウトや水たまりに足を取られるドライバーも多いなか、山野哲也S2000はウェットな路面とは思えないほどのブレーキングとコーナリングで、52秒180と驚異のタイム。午後は晴れ間も見え、路面はほぼドライ。マシン性能から伊那を得意とされるライバルのRX7勢も山野S2000の勢いにはかなわず、1.5秒という圧倒的なタイム差をつけた。優勝でシリーズチャンピオンを決めるという山野の思惑に最も近づいた時であった。島村琢磨メカは再び降りだした雨のなか、アライメント調整を行い、翌日の公開練習日に備えていた。

   

 9日。台風によるさらなる暴雨風で、公開練習は「中止」となるが決勝への参加受付と決勝コースが発表され、慣熟歩行が行われた。コースレイアウトはかなり難しく、前半のテクニカルセクションでは逆走区間があり、ショートカットも多用。後半のハイスピードセクションではパイロンの配置も斬新な設定となっていた。山野哲也はレーシングスーツに着替え、風雨のなか傘もささずに念入りに慣熟する姿が見られた。決勝日の10日、台風一過の快晴。コース状況はドライながらも前日の雨で砂が流れ出ており、路面温度も40度というバットコンディション。山野は朝の慣熟歩行をこなし、準備万端でN3クラスヒート1のスタートを待っていた。

気温もさらに上昇するなか、第2戦キョウセイで優勝を果たした安部洋一RX7が1分20秒233とトップタイムをたたき出す。そのあとを追うのが大槻隆夫RX7の1分20秒391とRX7勢が速さを際立たせていた。いよいよ山野S2000がスタートを切った。観客からの期待と注目が寄せられている。しかし今ひとつパワーが足りない。加速していかない。エンジンの状況が8日の走行とは明らかに違うなか、1分21秒241と安部RX7より1秒008も下回るタイムでゴール。ヒート1の結果は7位と会場からはどよめきが起きていた。すぐにパドックに戻った山野の表情は厳しく、エンジンに熱がこもらないように、クーリング対策やエンジンオイル、プラグの交換を島村メカに指示していた。昼休みの慣熟歩行を1周のみだが珍しく行った山野。そのあとは応援に駆けつけた多くのファンのためにパドックに戻り、サービスに徹する姿が印象的に残る。
 ヒート2。路面温度はさらに高くなり、タイムアップを果たせないドライバーが多いなか、ここまでのトップは変わらず安部RX7。また上位10台までにRX7が7台も占めていた。山野S2000のエンジンにとってはさらに厳しい状況であることに違いは無いが、逆転をかけてスタート! 前半、加速の点では若干の改善は見られたものの、アンダーステアが強く現れるマシンをテクニックでカバーしていく。そんななか、山野S2000は中間タイムをトップで通過した! 後半はRX7勢にとって優位だが、山野S2000はきれいにサイドターンを決め、タイムを縮めていく。会場が一瞬の静寂に包まれたゴールの瞬間。タイムは1分20秒563。ヒート1より0秒678のタイムアップを果たしたものの、安部RX7のタイムに0秒330届かず4位で終了した。
また、この瞬間に2年ぶり10度目の全日本ジムカーナチャンピオンが決定。山野にとっては優勝でチャンピオンを決定づけたかったであろうが、トラブルを抱えながらのレースでのチャンピオン獲得に、会場からは惜しみない声援が送られ、熱い夏の一戦が終わった。

   

「伊那はもともとS2000にとって不利なサーキットではあったものの、8日のタイム結果は良かった。『これはいける』と確信をつかんでいたが、決勝日はまったく逆の展開となってしまった。はっきりとしたエンジントラブル原因の究明はつかめていない。おそらく熱によるパワーダウンと思われる。結果的にヒート2で4位まで上がれたことは良かったと思っている。けっして決勝の順位やタイムに関しては納得いくものではないが、与えられた環境の中でベストを尽くすのがドライバーの使命だ。そのなかでシリーズチャンピオンが獲得できたことは結果オーライ。今年のテーマである『ボディ補強なし』でのチャンピオンの目標を達成したことになった。また、10回目の全日本ジムカーナチャンピオンを獲得できたことに対して、スポンサー各社やレースファン、岩井チーフメカに島村メカ他、支えてくれた全てのスタッフに感謝したい。残り2戦はさらにS2000にとって厳しいコースになるが、消化試合とは考えず、常に優勝の2文字を追いかけていきたい。」

山野選手
   
RACE RESULT 2003
   
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