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ジムカーナ選手権REPORT
 
   

2003年全日本ジムカーナ選手権第9戦が茨城県筑波サーキットコース1000にて行なわれた。今回の舞台はミニサーキット。パワーで圧倒するRX7勢が優位とされるコースに、今季N3クラスシリーズチャンピオンの山野哲也+Asgent 55S S2000は、シリーズ最終ラウンドを有終の美で飾るべく、強い意気込みを持ってサーキット入りした。

 27日、公式練習日。快晴で気温も高い。今季最終戦で、パドック内はいっそう賑やかになっている。朝からマシンのチェックに余念ない山野哲也。マシンセッティングは前戦鈴鹿と同様。期待が高まるN3クラスの走行がいよいよ開始。RX7勢のみなぎるパワーの走りに圧倒されるS2000勢。ここまでのトップは、藤本泰則RX7の1分09秒199と、上位7台が全てRX7と絶対的速さを見せつけられていた。その牙城に山野S2000がチャンピオンの意地と誇りを持ってスタートした。スタート直後に設けられたサイドターンセクションから、そのマシンの好調さをうかがえた。鮮やかにターンを決め、外周へ向かっていく。ショートカットが多用されたコースをいとも簡単に駆け抜けていく山野S2000。パワーでは圧倒的に優位なライバルのRX7勢も太刀打ちできない。巧みなマシンコントロール能力で挙動を乱しがちなコーナーも、鮮やかに切り抜けていく。そして緊張のゴールの瞬間! タイムは1分08秒690と藤本RX7より0秒491上回り、観客からは大きな歓声が上がった。公式練習走行をトップで終える。翌日の決勝に備える島村琢磨メカにも力が入っていた。

   

 28日、決勝日。快晴。朝からレーシングスーツに着替え、山野は準備万端で慣熟歩行を行う。前日の好調さを持続し、優勝に着実に近づきたい。徐々に盛り上がりを見せるサーキットに、山野S2000の勇姿を一目見ようと多くの観客がサーキットに詰めかけた。ヒート1、N3クラスの走行開始。予想通り、RX7勢が極めて速いタイムを刻んでいく。ここまでのトップは今季2勝を果たし、勢いに乗る安部洋一RX7の1分25秒487。そして、ファイナルゼッケン55、山野S2000がスタートする。

   

公式練習日と同じくスタート直後のサイドターンセクションを華麗にクリア。外周に繋がる1コーナーへは、なんとノーブレーキで突入。高いコーナリングスピードを稼いでいた。観客は一気に山野のドライビングに引き込まれていき、誰しもが鈴鹿の再現を期待していた。その時、事件が起こった。外周の8の字セクションで信じられない光景が目に飛び込んできた。一瞬の静寂。なんと山野S2000がマシントラブルでストップしてしまったのだ。その後、山野はマシンをいたわりながらコースをゆっくりと走行し、2分20秒100のタイムでゴールラインを切った。観客からは深いため息と驚きが渦巻いていた。走行終了後、チームピットに戻った山野はすぐさまトラブルの原因を探り、リヤのブレーキ周りを新しいセットに変更など、徹底したマシンチェックを島村メカに指示していた。昼休みにはトークショーを行い、賑やかなパドックのひとときを演出。ファンサービスに徹しながらも控えるヒート2へ向け、山野は闘志を燃やしていた。つづくヒート2。俄然優位なRX7勢に、なすすべもないS2000勢。サーキット全体は山野S2000に注目が寄せられる。気温も観客も皆ヒートアップしていく中、スタートラインに凛とした姿で着く山野S2000の姿があった。オフィシャルからのスタートの合図とともに飛び出していく。しかしヒート1の時よりあきらかにサイドターンのリズムが崩れている。山野はうまくリカバリーしながら走行を続けていく。そしてヒート1で停止してしまった8の字セクションが近づく。誰もが難なくクリアすると信じていたその時、サーキットに悲鳴にも似た声があがる。あの山野哲也がまさかの脱輪! 大きくタイムロスをしてしまった。その後も山野S2000は諦めずに走行を続け、ゴールチェッカーを受けるが、脱輪ペナルティーにより、タイムが無効となってしまった。優勝は大槻隆夫RX7の1分25秒196。そして上位10台中8台がRX7と、その強さを印象づけられた一戦だった。

 シリーズ最終戦を優勝で飾れなかったが、車両規定の変更、相次ぐマシントラブルがあった中で、2003年度N3クラスチャンピオンを獲得できたことは、大いに賞賛すべきことであろう。今後もファンの期待を裏切ることなく、山野哲也の挑戦は続いていく!

   

「今回の筑波も前戦の鈴鹿のように、S2000勢にとって不利なコースながらも、優勝という形でシリーズを終えたかった。しかしブレーキトラブルが復活し、今季最悪のリザルトになってしまったことが非常に残念でならない。多くのファンに優勝するところを見せることができなかったことも、申し訳ない気持ちでいっぱいだ。トラブルの原因については、ただちに究明する。とはいえ、新しく始まったN車両規定のなか、またライバルが多いクラスで早々とチャンピオンが決められたのも、アズジェント社を始めとしたスポンサー各社と優秀なメカニック、タイムキーパーのおかげ。次年度についてはまだ決定しているものはないが、ファンの期待にこたえられるよう、早期に活動の決定をしていきたい。今年応援してくれた全ての企業、人々に感謝します。ありがとうございました。」

山野選手
   
RACE RESULT 2003
   
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