21日公式練習日、晴れ。山野は公式練習は欠席し、直也のみが参加。午前1本目、直也NSXは走行直前にエンジンがかからないトラブルで走行できず。新井NSXが1分14秒204でトップ。直也NSXはN4クラス内での走行が認められ参考タイム、1分14秒130と午後に期待が寄せられる。午後2本目、直也NSXがスタート。軽やかに難関コースを疾走し、タイムは1分13秒630でトップとなる。岩井照樹チーフメカと島村琢磨メカは、ダブルエントリーの決勝に備え、余念無いマシンチェックを行なった。
22日決勝日、晴れ。早朝からパドックには活気が溢れる。N3クラスヒート1が直也NSXからスタート。丁寧なライン取りで前半セクションを走り抜け、さらにスピードを上げて後半セクションに突入していく。ゴール直前のトライアングルターンを見事に回りきったかと思われたが、かすかにパイロンタッチ。5秒のペナルティーが科され、1分12秒646となる。続く安部洋一RX7が1分07秒839と上位に食い込んでくるが、新井NSXが1分07秒400で暫定トップ。満を持してファイナルゼッケン山野NSXが登場。スタート直後からとてもNSXとは思えないキビキビとした動きを見せ、前半セクションを中間ベストタイム。後半セクションは、いくつものコーナーが重なる複合コーナーを美しく見事にまとめ上げ、一気にゴールまで駆け抜けた。タイムは1分06秒373と新井NSXに対し、1秒027差で余裕のトップに立つ。
昼休みに入り、観客がパドックに詰め掛け、山野はファンサービスに徹する。直也は昼の完熟歩行を入念に行い、ヒート2に備えた。いよいよ期待が高まるヒート2、直也NSXがスタート。ヒート1を払拭する積極的な走りを見せ、トライアングルターンもきれいに通過。タイムは1分07秒528と惜しくも新井NSXのヒート1タイムに一歩及ばず、3位で悔しさをにじませた。その新井NSXも1分07秒649とタイムアップ果たせず2位。田原憲RX7も5位のタイムで終わる。優勝を確定させた山野NSXはライトオンでスタートを切る。ビクトリーランでも気を緩めない走りに観客は大いに沸く。鮮やかにコースを疾走したタイムは1分06秒529とわずかにタイムダウンしたものの、その姿にサーキットから大きな歓声が上がっていた。最終結果はNSX勢が見事にワンツースリーの表彰台占領という快挙を達成させた。
今回、ワンツーフィニッシュは叶わなかったがチームプレーが見事に功を奏し、ライバル勢を下位に沈めたことは山野のシリーズチャンピオン獲得へ向け、非常に優位に立った。山野が参戦できる残り2戦に偉業達成の大きな期待が寄せられている。