スーパー耐久シリーズ第7戦/スーパーTEC4時間耐久
10月9〜10日/富士スピードウェイ/晴れ・ドライ

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予選:クラス5位 総合27位
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がむしゃらにシリーズ戦を闘ってきた#39「ウエスティン インテグラ」。
残り2戦となり、シリーズポイントランキング争いでは一度もトップの座を明け渡すことなく、
チャンピオンに王手をかけた。
第6戦を終え、獲得ポイントは102ポイント。2番手につける#25「アルテッツァADVAN」
は65ポイント。#25「アルテッツァADVAN」がこの富士と最終戦の菅生を連続で制しても、
#39「ウエスティン インテグラ」が富士で8位以内に入れば、シリーズタイトルは決定する。
楽勝ムードの中、とはいえ、チャンピオンを獲得するからには、やはり勝って決めたいのが心情。
ドライバーはもとより、チームスタッフも気合を入れて、富士に乗り込んできた。ところが予選では、
セッティングが決まらず、苦戦。空力をとるか、高速安定性をとるか、まとまらず、
予選ではクラス5位に甘んじてしまう。
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ポジション的には、走りきればチャンピオン獲得なのだが、「守りに入ったり、淡々と走っても面白くない。できることは全部トライして、勝ちたい。だからいつものように攻めのレースをすれば、結果はついてくると思う」と、尾本。
シリーズタイトルが形となってはっきりと見えてきた今、
本当の意味で攻めのレースをしようと、チームは意気込んだ。
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秋晴れの天気に恵まれた決勝。いつものように、磯田がスタートドライバーを担当。ローリングスタートを終え、
オープニングラップはポジションをひとつ上げ、総合26位で戻ってくる。
快調に飛ばして、ポジションアップを狙いたい磯田。ところが、マシンコンディションが思わしくない。
ストレートでの伸びが信じられないほど悪いのだ。
長い富士のメインストレートでインテグラのポテンシャルを発揮できなければ、何のメリットもない。
磯田はマシンの異変を感じ取り、ピットインを決意。
突然の帰還にピットは騒然、スタッフが一斉にマシンに集まる。
原因はデスビの不調によるもの。早速、パーツ交換をし、再度磯田をコースへと送りこんだ。
予定外のピットインでポジションを下げたものの、この1戦は4時間の長丁場。まだまだレースは始まったばかり。
逆転のチャンスは存分に残っている。そう信じ、スタッフ、そして尾本が磯田の走りを見守る。
だが、その6周後。磯田が再びピットへと戻ってくる。
スタッフがエンジンルームを開け、異常をチェック。その表情は厳しい。
どうやら先のトラブルでエンジンのピストンがダメージを受けた模様。
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こうなっては、エンジンを載せかえるしか復帰の方法はない。だが、レギュレーションでは、
24時間レース以外、エンジンの乗せ換えは禁止されている。チームにはレースを諦めるしか、
手立ては残っていないのだ。思わぬトラブルで、リタイヤを強いられたチームには、
重い空気が流れる。
ところが、しばらくして、クラストップを走行していた#25「アルテッツァADVAN」が、
エンジントラブルによりリタイヤ、というニュースが飛びこんでくる。シリーズチャンピオン争いで
#39「ウエスティン インテグラ」に次いで2位につけていたマシンがリタイヤ。
つまり、これでタイトル獲得が決定したということだ。
さっきまで静まり返ってきたピットがにわかに明るくなり、スタッフ、ドライバーがガッチリと握手。
#39「ウエスティン インテグラ」は、最終戦を待たずして、シリーズタイトルを手に入れた。
「マシンに乗らず、レースを終えたのは2度目。結局、タイトルを取ったけれど、
やっぱりチェッカーを受けて、タイトルを決めたかった、というのがホンネです。その分、
最終戦はきっちり走り切って、いい結果を出したい」と、尾本。
レースをリタイヤした悔しい気持ちと、タイトルをゲットしたうれしい気持ちが交じり合っている
だけに、その表情は硬い。だが、厳しいシリーズ戦を勝ち取った重みは、
これから徐々に大きくなることだろう。
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決勝:リタイア
周回数/11LAP
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