C-WESTがエアロパーツとGTウイングの供給をサポートしているスーパー耐久ST-3 ♯38号車「muta Racing ADVICS IS350 TWS」。軽量なボディを活かし、同クラスのトップ争いを繰り広げる常勝チームだったが、昨年後半からRC350勢のセットアップが煮詰まり、苦しい戦いが続いてきた。
そのような状況を打破すべく、今シーズンの開幕戦からC-WESTの新型GTウイングを投入することが決定した。スーパー耐久に装着できるエアロパーツは、市販されている車検対応品であることが規則で定められており「GT WING SWAN NECK」はASEA基準認定部品として開発。「低ドラッグ・高ダウンフォース・高剛性」を開発目標にかかげ、3D-CADを用いた最新設計により高精度で製品化された自信作だ。
スーパー耐久シリーズ2018の開幕直前、3月3日から富士スピードウェイで催された合同テストで、ST-3 ♯38号車は初めて「GT WING SWAN NECK」を装着して走行性能、剛性感、耐久性のテストをおこなった。マシンのセットアップを担当する阪口良平選手、そしてジェントルマンドライバーの堀田誠選手に、新型ウイングのインプレッションを伺った。
写真左から:堀田選手/阪口選手
車 両 | ♯38 muta Racing ADVICS IS350 TWS LEXUS IS 350 (スーパー耐久ST-3車両) |
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場 所 | 鈴鹿サーキット |
比較ウィング | GT-WEING NEO |
【阪口選手】
新製品はフラップ形状が変更されていますね。初めて見た時「最高速が落ちるかも・・・」と思いましたが、富士スピードウェイで旧型(GT-WING NEO)と新型(GT-WING SWAN NECK)を比較テストしたところ、ドラッグの増加に伴う最高速の低下はみられませんでした。それでいて、コーナー進入時のダウンフォースは増していて、高速コーナーになるほどリヤがしっかりと接地して、安心してターンインできることを確認しました。
レーシングカーなので前後バランスが重要ですが、リヤのダウンフォースが増加した分は、足廻りのセットアップを見直すことで対応できました。他のマシンとの混走による限りなく実践に近い2日間のテストで、新型ウイングのポテンシャルを確認。「2018年のスーパー耐久シリーズを戦う上での必需品になる!」と手応えを感じました。
【堀田選手】
阪口選手のコメントとかぶりますが、ロードラッグで最高速は落ちていませんし、それでいて100Rも以前よりも増して安定した状態で走行できました。
【阪口選手】
鈴鹿サーキットは高速コーナーが続きます。とくに上りのダンロップ区間は、もっともリヤが沈みこみフロントタイヤのグリップ力が抜けてしまうと思ったのですが、まったく問題ありません。
130Rについても、ギリギリのところまで攻めていますが、旧型よりも安心感が増した印象です。バックミラー越しにフラップが見えますが、剛性が上がっているのが一目瞭然です。このあたりも安心して攻められる要素になりますね。
【堀田選手】
新型ウイングを装着して鈴鹿を走行するのは初めてで、セッティングが煮詰まっていない部分もありますが、130Rの挙動がとても安定していて去年の仕様に比べて断然乗りやすくなりました。
開幕戦の模様は、練習走行から昨年後半に苦しめられてきたレクサスRC勢を上まわるタイムを記録。公式予選ではST-3クラスのトップタイムをマークした。掘田選手の話によると「サスセッティングに改善の余地がある状態」とのことだが、新型ウイングのポテンシャルが少なからず貢献できたようだ。
決勝は5時間耐久。1時間ごとに発表される公式結果は、すべてクラストップの順位で通過。レース序盤はレクサスRC、3時間経過以降はZ34との熾烈なバトルを繰り広げ、見事ポールトゥーウインでクラス優勝を達成した。
レースの実践において「低ドラッグ・高ダウンフォース」を実証したGT-WING SWAN NECK。チューニングカーやストリート仕様に装着しても、高性能を体感していただける製品ですので、思う存分ご堪能ください。
GT-WING SWAN NECKを装着するスーパー耐久ST-3 ♯38号車
「muta Racing ADVICS IS350 TWS」が初投入の開幕戦・鈴鹿でクラス優勝!