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ドライカーボン

ドライカーボンとは

ドライカーボンウイング1ドライカーボンウイング2
弊社の扱う主力商品の中でFRPの他にCFRPやPCCなどカーボンを扱うものがあります。
その中でも、最も強度があり、軽いものとしてDCC(ドライ・カーボン・コンポジット)があります。一般的なFRP製品は、常温で液状の樹脂を用いガラスクロス・ガラスマット・カーボンクロスなどに樹脂をしみこませながらレイアップしてゆきます。レイアップとは、予めガラスクロスやガラスマットなどの材料に樹脂を浸し、型に張りながらローラーなどでクロスやマットの隙間にある空気を抜く作業です。この工法をウェットレイアップといいます。

常温で液状 ⇒ ベチャベチャと濡れている ⇒ 一般的に言う「ウエットカーボン」

これに対する工法「ドライレイアップ工法」から来た言葉が「ドライカーボン」なのです。要するにレイアップするときに液状の樹脂を使用しないレイアップ方法ということになります。ご存知のようにカーボンファイバーは軽くて強い素材として周知されています。まずこの素材に注目したのは「1gでも軽く・・・」を目的にした航空宇宙産業でした。

そして様々な研究が行われ「如何にカーボンファイバーの性能を100%使い切るか?」が追求されひとつの答えとして「プリプレグ」と呼ばれる素材が開発されました。カーボンクロスや一方向にカーボンの束を引きそろえた物に、常温では半固形状態の樹脂を滲みこませた材料です。この樹脂には粉体の硬化剤が混ぜ込まれており高温になると樹脂と硬化剤が溶融して液状となって一気に硬化反応が進みます。この素材を用いて製造された成形品を一般にドライカーボンと呼ぶようになりました。

カーボンファイバーの性能を使い切るには何が重要か?

樹脂をたっぷりと使えば泡など内部欠陥の無いFRPが製作できますが、その分同じ強度(同じ繊維の量)でも重量が増えてしまいます。
C-WESTではウェットレイアップ工法でのFRP製品やウェットカーボン製品についても必要樹脂量に抑え、製品重量の軽減に役立て、一部の製品では更にプレスすることで樹脂内部のエアを排出させ強度を高めるなど自動車競技には必要不可欠な“軽さ”と“強度”を兼ね揃えました。ドライカーボンの場合、その成形物の中のカーボン含有率を極限まで高めるためバキュームバッグ成形法が開発されました。例えば羽毛布団を布団圧縮袋に入れ、バキュームすることでふわふわの布団がカチカチになりますよね?その応用で糊を含んだ布団を圧縮袋に入れバキュームし、固まったものを袋から取りだせば完成です。実際に製品型へ硬化前のプリプレグをセットし、特殊バッグで圧力をかけ、余分な樹脂を搾り出そうという物でした。それにより積層された素材の層間に残った空気も無駄な樹脂とともに流し出すことができます。

オートクレープ

オートクレープ
そして、さらに樹脂を搾り出すために考案されたのがオートクレーブと呼ばれる圧力釜を用いて成形する成形方法です。バキュームバッグ成形法では、素材には1気圧(1kg/cm2)が掛かります。この圧力をもっと高めればさらに樹脂が搾りだせるため、オートクレーブ成形では3〜10kg/cm2の圧力をかけながら昇温し、成形を行います。このプロセスで出来上がる成形品のカーボン含有率は体積比で60%を超え、さらに高い数値を達成することが可能です。

C-WESTがお届けするドライカーボン製品はもちろんオートクレーブ成型法によって作り出されています。さらにはクロスプリプレグ・UDプリプレグ(前出カーボンの束を一方向に引きそろえた物)を最適に配置し製品設計を行っています。ここ数年で、オートクレーブ成形はすっかり一般的な方法になりました。もはや当たり前と言っても過言ではないでしょう。しかしカーボンコンポジット技術の真髄はカーボンファイバーの積層構成なのです。

どの方向にどのような特性の繊維を-どれぐらい積層するか・・・

また、剛性の必要な部分はいたずらにカーボンの積層枚数を増やすのではなく、ハニカムコアなどの軽量コア材料を適切に選択しサンドイッチ構造としています。一概にハニカムコアと言えども素材も様々、ハニカム以外の軽量コア材などの素材も熟知し適材適所に用いる工夫とセンス、ノウハウこそが軽く剛性の高い製品を生み出すキーポイントです。

C-WESTは、長年のレース参戦経験から得られた本当の技術を皆様にお届けいたします。


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